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FRB【発言の注目ポイント&まとめ】

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【経歴】 貿易会社経営の1990年生まれ ・大手自動車メーカー出身の機械系エンジニア ・国内証券会社にて為替の営業経験あり 【学歴】・KAPLAN インターナショナル・カレッジ シドニー卒業 【所有資格】 ・日本証券アナリスト協会認定 プライベートバンカー ・証券一種外務員

こんにちはKOMANです!

今回はFRBメンバーのコメントをまとめて参ります。

FRBメンバーの発言は注目されますが、

発言のタイミングがバラバラであることや

誰のコメントが重要なのか? 困った経験はありませんか?

本当にそう!要人発言が多すぎてトレードも気が気じゃないよ~

誰の何を聞いたらいいのか教えて欲しかった!

こまおさん

という事で今回はFRBの構造を簡単に説明しながら

誰の発言に注目・注意するべきかお伝えし、

ここ最近の発言をまとめます。

FRBメンバー発言

注目ポイント&まとめ

FRBメンバー

まずはFRBの構造から理解していきます。

皆さんご存じのパウエル議長はFRBのトップであり

その下にジェファソン副議長とバー副議長の2人が居ます

Philip Jefferson confirmed as vice chairman of Fed as it tries to bring down inflation | Washington Examiner

パウエル議長(左)ジェファソン副議長(右)

Fed Vice Chair Michael Barr expects interest rates to stay high 'for some time' | Pensions & Investments

バー副議長

常任理事

FRBはこの議長・副議長を筆頭にその下4名の常任理事が居ます。

 

ちなみに補足にはなりますが、この他にニューヨーク連銀総裁は

FOMCの副議長として政策運営に携わっています。

Office of the President - FEDERAL RESERVE BANK of NEW YORK

ウィリアムズニューヨーク連銀総裁(FOMC副議長)

 

 

4地区連銀総裁 (投票権あり)

更にその下12の地区連銀が存在しますが、

FOMCの政策運営権(投票権)を持てるのは毎年4つの連銀総裁達になります。

2023年の投票メンバーは以下の方々です。

※左からグールスビー総裁(シカゴ)、ハーカー総裁(フィラデルフィア)、カシュカリ総裁(ミネアポリス)、ローガン総裁(ダラス)

補足になりますが、代表の4地区は交代制となっており

来年2024年は再びFOMCの投票メンバーが変化します。

以下に24年に投票権を持つ地区連銀総裁をまとめておきます。

2024年投票地区

・クリーブランド地区連銀 メスター総裁(タカ)

・リッチモンド地区連銀 バーキン総裁(中立)

・アトランタ地区連銀 ボスティック総裁(ハト)

・サンフランシスコ地区連銀 デイリー総裁(中立)

 

全地区連銀メンバー

この項の最後に全12地区連銀の代表をまとめておきます。

12地区全ての連銀総裁および副議長(23年10月現在)

直近の人事により左上のカンザスシティ連銀 シュミッド総裁(エスター前総裁の後任)

右上のセントルイス連銀 パエーゼ総裁が加わりました。

パエーゼ総裁は暫定という事で再び変更の可能性もありますが、

ブラード前総裁の後を引き継いでタカ派色の強いコメントを出してくるのか注目です。

 

FOMCメンバー

まとめると2023年はこの様な構図になります。

黄枠内がFOMC投票メンバーとなり、

その発言には世界中が注目していると言う訳です。

 

顏と名前が一致するには時間が掛かりそうな人数ですがご安心ください。

次項より顔つきで直近の発言を振り返って参ります!

補足になりますが、色分けしたアルファベットでスタンスの区別をしています。

Hタカ派 N中立派 Dハト派

 

こんなにメンバーが居たんだ!やっと誰に注目するのか分かったよ!

そして来年は別のメンバーに入れ替わるってのも分かった!

こまおさん

パウエル議長コメントまとめ

Who Is Jerome Powell? What Is His Position?

先ずは最重要人物であるパウエル議長のコメントからです。

実は知らない方も意外と多いのではないでしょうか?

元々は法律家の方なのです。

ちなみに英語を話せる方であればお気づきの方も居ると思いますが

ここ最近のパウエル議長は明言を避ける傾向にあります。

日本語の感覚で言えば、曖昧な言葉遣いといった感じです。

「○○なんだけど、○○でもある」ハッキリしない事が多い印象を受けます。

以前はもっとタカ的でした。

 

最新のコメント 物価について(10月19日) 

・夏にかけてインフレは低下し非常に好ましい状況であった。

・9月のデータは良好ではあるが物足りない。

・コアインフレ(3-6か月)は3%未満で推移しているが安心はできない。

・インフレはまだ高すぎる

・直近数カ月の良いデータだけでは信頼に足りない。

・今後の四半期でどれほど低位推移するか?まだ分からない。

・2%目標達成まではもう少し時間が掛かりそうで、凸凹道になり得る。

労働市場について(10月19日)

・移民の労働供給増加、パンデミック前の力強い歓迎すべき状況にある。

・状況は厳しいが、徐々に冷え込みつつある。

・求人件数は大幅に減少し、パンデミック前を少し上回るに過ぎない。

・辞職率もパンデミック前水準。

・賃金上乗せ分(プレミアム)もパンデミック前水準。

・賃金は物価目標2%に時間をかけて適合していく。

KOMAN感想

日本では【ハイアー・フォー・ロンガー:高金利は長く続くとの以前のコメントを

抽出して報じ続けていますが、実際のパウエル議長の説明では既に変化しています。

2%物価までは【Take some time:時間を要す】と言う訳ですが、

会話の中では短めのニュアンスで使いますし、

雇用市場についての懸念はほぼ皆無といった状況にある印象を受けました。

 

ボウマン理事コメントまとめ

Fed Needs to Keep Raising Interest Rates to Cool Inflation, Bowman Says - Bloomberg

FRB理事の中でもタカ的なスタンスのひとりです。

2018年11月にFRB理事に就任する前は、カンザス州の州銀行監督官でした。

地域銀行の専門家だったこともあり、

物価高が与える悪影響を軽視しない姿勢を強く示す印象があります。

 

最新のコメント 次回会合に向けて(10月18日)

・インフレ率は下がっているが依然高い事は明らか。

・低所得者において食品、住宅、交通のコスト上昇は困難な状況。

・私と同僚はインフレ率を2%へ戻す事に焦点を当てている。

・物価目標実現は短期と長期それぞれの変化を分けて認識する事が重要。

・パンデミックによりアメリカ人のほとんどの生活が激変した。

・それにより古典的な経済パターンが変化し解釈が難しくなった。

KOMAN感想

物価の安定は低所得者層にとって命綱です。

9%台ピークからは大幅に低下してきましたが、

依然高水準というコメントは否定しようのない事実です。

事実ベースの毅然とした姿勢がタカ的に写る印象を受けました。

しかしながら、これまでの伝統的な経済の解釈が【時代遅れ】である

そう言い換えているようにも感じました。

 

ウォーラー理事コメントまとめ

Fed's Waller Favors Considering Half-Point Hikes at Coming Meetings - BNN Bloomberg

こちらもタカ派スタンスのひとりウーォラー理事。

私KOMANの率直な感想は、ウォーラー理事のコメントが全てです。

言い換えるならば、この人の発言通りになる事がほとんどです。

また各講演会では、専門的な解説を丁寧に行いますので原稿は長文です。

しかし結論は原稿の最後に目を向けると一発で理解できますし

冗談を交えながら話す姿は【イケおじ】といった感じで個人的には大好きです。

 

最新のコメント 次回会合について(10月18日)

・コアインフレが予想の3.7%を上回るかどうか注目。

・リスクは強い投資や消費の持続。

・需要と実質経済(GDP)が減速すればよい。

・現在のスタンスは様子見が適切である。

 

KOMAN感想

今回は珍しくタカ的な意見を控えた印象を受けました。

さらにウォーラー理事が政策決定の前提としていたのがSEPでした。

この中で示した通りの道筋(コアインフレ3.7%)を歩めば政策修正無し。

予想外に傾けば修正(追加利上げor緊急利下げ)の可能性ありという事でした。

非常に分かりやすいですね。

 

ジェファソン副議長コメントまとめ

Fed Governor Philip Jefferson named as new vice chair to succeed Lael Brainard

9月に理事から副議長の指名をバイデン大統領から受け就任。

政策スタンスは中立であり

国家経済会議(NEC)に就任したブレ―ナード氏の後任ポジションとなります。

ウォーラー理事同様、専門的な見解を述べた後に自己のスタンスを示す傾向があります。

 

最新のコメント インフレ上昇リスクについて(10月9日)

・エネルギー価格の予期せぬ上昇など複数の不確実性あり。

・エネルギー価格は不安定。

・コアインフレに重点を置いている。

インフレ下降リスクについて(10月9日)

・中国経済の不動産活動低迷による下降リスクも存在する。

・欧州では購買担当者景気指数が弱まってきた。

・これらの動向は海外で急激に悪化する可能性がある。

・米国に影響を及ぼす可能性がある限り注意深く追跡する。

 

金融政策の考慮事項について(10月9日)

・FOMCは追加の利上げを慎重に検討する立場にある。

・【やり過ぎるリスク】と【足りないリスク】のバランスを取る。

・投資家は実質長期債利回りの上昇を強い経済と評価している。

・その場合予想したよりも長い間金利を維持する必要がある。

・反対にリスク回避であっても同じことが言える。

・適切な政策決定の為に正確にデータを評価する必要がある。

KOMAN感想

当初「金利が予想したよりも長い間維持する必要がある」

という中立派からのコメントに各メディアは注目しました。

しかし言葉の意図を読み解くと、実質の長期債利回りの上昇を

【強い経済】と投資家が判断・評価している場合という仮定がありました。

その反対に【リスク回避】という評価であったとしても

利回り上昇の反応が出るという注意書きも確認できますので

安直にメディアの情報を受け取るのは危ういと感じました。

 

バー副議長コメントまとめ

バーFRB副議長、SVB破綻前の監督不行き届き認める-議会証言 - Bloomberg

2022年7月にバイデン大統領に指名されFRB副議長に就任しました。

同氏初参加のFOMCはインフレピークと同時期となります。

政策スタンスは中立で、FRBでの経験こそ浅いですが、

過去にはミシガン大学の教授であったり、民主党のオバマ政権では

金融機関を担う財務次官補を務めた金融規制の専門家です。

金融政策に関するコメントは少ないのが特徴です。

 

最新のコメント 物価・経済・雇用について(10月2日)

・供給制約は改善された。

・失業率は悪化せず物価安定を実現できそう。

・インフレは緩和しているが、最新のデータは予想以上。

・引締めサイクルの歴史を振り返ると楽観視出来ない。

 

KOMAN感想

金融政策のコメントは可もなく不可もなくといった印象を受けました。

ストレステストなど金融規制面での思慮に富んだ発言や発表資料が豊富で、

政策立案者ではありますが、専門分野外の「物価」「雇用」については

一般認識と大差ない事に気付きました。(重要度は低いです)

 

クック理事コメントまとめ

MSU's Lisa Cook, 2 other Fed nominees likely to win Senate OK | Crain's Detroit Business

全ての利上げにおいて賛成票を投じたクック理事。

政策スタンスは中立です。

初就任は2022年5月で、黒人女性初のFRB理事ですが

当時は賛否が拮抗し、上院でも否決された後上院議長の決裁票で承認。

歴史に残る人物です。

 

最新のコメント 雇用と物価について(10月19日)

・最大雇用は経済の変化に応じて進化する

・物価目標達成の為に利上げを支持する

 

KOMAN感想

多くのエコノミストは低い失業率が【経済の加熱】を招くと予想するなか

クック理事はそれを否定するコメントを発信しました。

あくまでエコノミスト予想は「歴史に照らした予想」であり

ボウマン理事と似た考え方の様に感じました。

更に今後の会合でFOMCが利上げに動いた際には賛成票を投じる様ですね。

 

ウィリアムズ総裁コメントまとめ

ウィリアムズ氏、NY連銀総裁に就任 FOMCナンバー2 - 日本経済新聞

ニューヨーク連銀総裁およびFOMCでは副議長を務める中立派です。

NY連銀はFOMCで常に投票権を持つので、連銀の中でも特殊な立ち位置です。

学者の一面もあり、専門家ではないパウエル氏の右腕的な存在です。

最近あまり耳にしなくなった【中立金利】に関してのコメントに注目が集まりやすく、

今後訪れるであろう利下げ局面では発言力を増してくる重要人物となります。

 

最新のコメント 次回FOMCと金利について(10月19日)

・次回の会合では金利の維持を支持。

・インフレ管理の進展を認める。

・更なる行動の必要性もある。

・インフレ緩和なら利下げを検討するべき。

 

KOMAN感想

FOMC常任メンバーの中で唯一利下げに言及しています。

現状は利上げ(引締めサイクル)ですが、いずれ利下げ(緩和サイクル)

は必ずやってきます。「必ず」です。

その際どこまで下げるか?

その議論が巻き起こる前のウィリアムズ総裁の発言は要注目ですね。

最後に

以上が常任メンバーの最新コメントまとめになります。

クーグラー理事のコメントは?と気になる方も居るかもしれませんが

就任直後という事もあり、際立つコメントがありませんでした。

 

ここまで読み進めると、やはりFRBは利上げの最終局面であることが分かりましたよね!

株式は右肩上がりに上昇し続けてもなんら不思議ではありませんが、

一方の為替相場(ドル相場)が永遠に上昇する事は非常に低確率です。

現に今のドル相場は明確なピークが出来上がりましたので、そこを越える材料はもうありません。

 

円相場も年末年初辺りには一旦買われる可能性も見えてきましたし、

ここからドル円の中期的な下落は起こりそうですね!

という事で今回は以上です。

また次回お会いしましょうKOMANでしたっ‼

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